生物の発生 カタユウレイボヤ発生過程の観察 Windowを閉じる
 
 
卵 −ホヤの卵の構造−  
 
   ホヤの卵は,ひとつの卵細胞とその周囲に約1,000個のテスト細胞があり,それを卵殻(コリオン;chorion)が取り囲んでいる。ひとつのコオリオンの中に複数の細胞が存在する卵を複合卵と呼び,比較的珍しい形態である。テスト細胞は体細胞由来で,生殖細胞は卵細胞のみである。テスト細胞は卵細胞の成長中に様々な物質を供給したりするほか,発生過程で胚表面の被のうの形成を助けている。コリオンの外側には約1,000個のろ胞細胞が付着している。ろ胞細胞も卵細胞の成長中に様々な物質を供給したりするほか,卵に浮力を持たせ,海中で浮遊しやすくしている。
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[01] コリオンの外側にあるろ胞細胞が長く突出しているのが特徴的。卵細胞とコリオンとの間の空間を囲卵腔と呼ぶ。テスト細胞は,この時期コリオンの内側に隙間無く付着しており,厚い膜のように見える。
カタユウレイボヤの受精卵
カタユウレイボヤの受精卵
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[02] カタユウレイボヤの卵に紫外線を当てて観察すると,卵の一部分が青白く自家蛍光を発する。これはマイオプラズムに局在するミトコンドリアの自家蛍光である。このようにただ丸い卵細胞でも,中には様々なものが局在し,発生のための準備が行われている。
カタユウレイボヤ受精卵の自家蛍光
カタユウレイボヤ受精卵の自家蛍光
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