環境計測のための機器分析法 |
茶山健二 |
コンテンツの目的・ねらい
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本コンテンツは環境科学或いは分析化学を学習しようとする学生諸君が環境中に存在する有害物質の量を計測しようと考えたときにどのような手段、方法でそれを計測できるのか?といった疑問に添うべく、幾つかの機器を使った分析法について解説したものです。初めてこのような分析化学の扉を叩かれる方は、第1章の機器分析法概説をお読みになればよいと思いますが、既に目的を持ってこのような方法でこういう物質を測りたいと思われる方は該当する章をご覧になっていただければよいと思います。
それそれの機器分析法を解説した各章は、2章 吸光光度法、3章 蛍光分析法、4章 原子吸光法、 5章 ICP発光分析法、 6章 キャピラリー電気泳動法について述べております。クロマトグラフ法或いは他の諸法で環境計測に高い頻度で使用される分析法もありますが、今回は時間等諸事情でこれらは割愛いたしました。
環境分析法は日々進化しており、関連する有害物質を規制する法律の基準値自体も10年に一度程度見直されるのが通常で、新たに環境規制物質になる化合物の種類も年々増え続けております。このような状況の中で、新しい原理の分析法も数多く開発され初学者にとっては何から手をつけて良いのかわかりづらい状況であると思います。しかしながら、本コンテンツに掲載している分析法は機器分析法の基本的な原理を用いる分析法ばかりですので、これらを学習することにより、そこから派生するいろいろな分析法を学ぶことは容易であると考えられます。機器分析法は、ともすればスイッチを押すだけでデータがでてきて我々に分析値を教えてくれるように思われがちですが、実際には正しい計測値を出すためにいろいろな前処理をしたり機器の調整をすることが必要となってきます。そのような操作を行うためには正しい機器分析の知識を学んでおかなければいけません。
本コンテンツにより、1人でも多くの学生諸君が機器分析法により環境をいかに知ることが出来るかを学習し、実際に環境を計測する体験をされることを願って止みません。