← 戻る
modern american economy
コラム:日本の景気日付
担当:甲南大学 稲田義久


 下の表は、戦後の日本の景気日付を見たものです。日本ではアメリカと異なり公的機関(内閣府景気動向指数研究会:http://www.esri.cao.go.jp)が景気日付を決定します。日本の戦後の景気循環において、景気の平均拡張期間は33.1ヶ月で、収縮期間は16.3ヶ月となっています。また景気の谷から谷の1循環の平均月数は51.5ヶ月、山から山が平均50.1ヶ月となっています。

 日本の景気の拡張期間はアメリカのそれ(59ヶ月)に比して半分程度なのです。一方、日本の景気の収縮期間はアメリカのそれ(10.4ヶ月)に比して長めに出ています。1循環の長さもアメリカのほうが長くなっています。なぜ日本とアメリカとで景気循環の長さに差が出るのかは興味のあるところです。他の国の景気循環と比較し何らかの法則が見つかるでしょうか。景気循環の国際比較については、コンファレンス・ボードのホームページが参考になります(http://www.conference-board.org/)。

 日本の景気日付(特に、景気の谷の設定)については、川崎研一の「景気の谷の設定について―その役割と限界―」(ESP、1995年1月)が参考になります。

表1-2 日本の景気日付
  収縮 拡張 循環
山から谷 谷から山 谷から谷 山から山
第1循環 1951 6 1951 10 4
第2循環 1954 1 1954 11 10 27 37 31
第3循環 1957 6 1958 6 12 31 43 41
第4循環 1961 12 1962 10 10 42 52 54
第5循環 1964 10 1965 10 12 24 36 34
第6循環 1970 7 1971 12 17 57 74 69
第7循環 1973 11 1975 3 16 23 39 40
第8循環 1977 2 1977 10 9 22 31 38
第9循環 1980 2 1983 2 36 28 64 37
第10循環 1985 6 1986 11 17 28 45 64
第11循環 1991 2 1993 10 32 51 83 68
第12循環 1997 5 1999 1 20 43 63 75
第13循環 2000 10 21  
平均月数         16.3 33.1 51.5 50.1

▲ページのトップ
← 戻る