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modern american economy
コラム:規模の経済 (Scale of Economy)
担当:甲南大学 稲田義久


 いま労働(L)と資本(K)である財の生産(y)が行われる場合を考えます。この技術的な関係を生産関数といいます。

y = f (L, K)

 ここで、LとKが一定倍(λ)だけ増加したとします。この時、yがちょうどλ倍増加すれば、収穫一定といいます。それ以下であれば、収穫逓減、以上であれば、収穫逓増と定義されます。しかし、Hanoch以降の定義では規模の経済は以下のように定義しなおされます。

規模の経済:SCE (Scale of Economy) = 1 - d (logC) / d (logy) C:総費用 y:生産量
= 1 - 総費用の変化率/生産量の変化率

 今、生産量を10%増加させるのに総費用が10%増加したとします。この場合、SCE = 1 - 10/10 = 0となり、収穫一定と定義されます。次に生産量を10%増加させるのに総費用が5%の増加にとどまったとします。この場合、SCE=0.5すなわち、50%の収穫逓増を実現できていることになります。このように、SCEが正となれば収穫逓増で、負となれば収穫逓減と定義されます。この新たな規模の経済の定義は、アメリカ経済のIT革命の実態をよく説明できていると思います。

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