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modern asian economy
8-5. 日本の金融・企業改革:韓国モデルは参考になるのか?
担当:甲南大学 高龍秀<コ・ヨンス>


■日本の金融・企業改革
1997年11月の金融危機:コール市場のデフォルト、大手都市銀行・証券会社の破たん。
1998年3月に大手21行に1.8兆円の公的資金投入。10月日本長期信用銀行、日本債券信用銀行の一時国有化による破たん処理
1999年3月に大手15行に7.45兆円の公的資金注入。

■竹中平蔵・経済財政相・金融相:2002.10.30に金融再生プログラム
・銀行の資産査定の厳格化、自己資本の充実、銀行経営の確立
・産業再生機構(担当大臣に谷垣禎一氏):銀行から不良債権を買い取る。
・産業再生委員会「えんま大王」:企業が再生可能か不可能かを審査

■日本にとって韓国はモデルになるのか?
日本の金融・企業改革は時間がかかり過ぎています。1991年のバブル崩壊から12年たつ2003年の段階でも不良債権処理・産業再生が叫ばれています。通貨危機から3年で金融・企業改革を進めた韓国と対照的です。(韓国でも一部財閥では問題を残しているが)
⇒改革に対する強力な政治的リーダーシップという点は、大いに参考になります。
さらに、金融と産業の改革を同時並行的に、一気に進めた点は参考になるでしょう。

しかし、多数の金融機関が外資系の傘下となった点や、一時的に8%を超える失業率を生んだ点など、韓国の方式を日本でそのままモデルにすることには問題もあるでしょう。
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