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asian economy
用語一覧
担当:甲南大学 高龍秀<コ・ヨンス>

・アルファベット
・50音順


アルファベット


■AMF構想
アジア通貨基金(Asian Monetary Fund=アジア版のIMF)を設立しようという構想。1997年9月に日本政府によって提唱された。日本政府は、アジア各国で資金を拠出しあって、アジア諸国が通貨危機に陥れば、支援する機構として設立を呼びかけ、積極的に資金を提供する用意があると提案した。しかし、IMFや米国の反対で実現しなかった。
関連ページ :6−1
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■BIBF (Bangkok International Banking Facility)
1993年3月に、タイのバンコクに開設されたオフショア市場。タイ隣国で開放政策を始めたインドシナ諸国の復興資金を海外から集める目的で設置されたが、海外の投資家の資金がタイ国内に投資される「外−内取引」も可能となったため、タイ国内に資金が流れバブル経済をもたらせ、通貨危機の原因の一つになった。
関連ページ :4-3
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■BIS (Bank for International Settlements=国際決済銀行)
主要国の中央銀行間での国際金融決済や協力促進を目的とした国際特殊銀行のこと。「中央銀行の中央銀行」と呼ばれ、主要国の中央銀行総裁が定期的に集まって、世界の金融システムの安定をめざしている。本部はスイスのバーゼル。BISに設置されたバーゼル銀行監督委員会は、1988年に銀行の健全性を示す自己資本比率基準を提示した。それは、国際業務を行う金融機関は自己資本比率8%、国際業務を行わない金融機関は4%を上回らなければならないという基準で、日本では93年3月期決算から適用されることになった。
関連ページ :4−5
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■EPA (Economic Partnership Agreement=経済連携協定)
自由貿易協定に加えて人材育成、中小企業育成などをふくめた経済協力協定、日本はシンガポールと2002年に締結した。
関連ページ :7−3
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■FTA (Free Trade Agreement=自由貿易協定)
締結した国の間で関税・数量規制など非関税障壁を撤廃して貿易を自由化する協定。
関連ページ :7−2
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■I−Sギャップ
発展途上国でよく見られる、S(国内貯蓄)がI(投資)より少ないというギャップ。旺盛な成長意欲から国内投資(I)が高まるが、それをまかなう国内貯蓄(S)が不足し、不足分を海外から導入せざるを得ないこと。
関連ページ :4-4
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■IMF (International Monetary Fund=国際通貨基金)
1944年のブレトン・ウッズ会議で、世界銀行と共に創設された国際機関。国際的な金融協力や外国為替相場の安定を目的に設立され、加盟国の出資金を原資として、国際収支が悪化した国に融資を行っている。本部はワシントンDC、183カ国が加盟。
関連ページ :5-1
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■LIBOR
「ロンドン銀行間金利」と訳され、ロンドンでの最優良金融機関が借入れる場合の金利で、国際的な銀行間金利の基準となっている。
関連ページ :2-2
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■M&A (Mergers and Acquisitions)
企業の合併・買収のこと。被買収企業が望まないにもかかわらず、株式を市場で買い集めるなどの形態で買収することは「敵対的買収」と呼ばれる。
関連ページ :5-2
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■OECD (the Organization for Economic Co-operation and Development=経済協力開発機構)
1996年に韓国は29番目の加盟国として加盟した。アジアでは日本に次いで2番目であった。OECDに加盟すれば「先進国水準」と評価されていた。
関連ページ :4-4
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50音順


■オフショア市場 (offshore market)
非居住者の取引が減税、規制緩和などで優遇されている市場。ユーロ市場などが有名である。
関連ページ :4-3
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■関税同盟
締結国の間で関税を撤廃するなどのFTAの内容に加えて、対外的にも共通関税を採用するもの。地域統合としては、FTAより一歩進んだ形態であり、EU(欧州連合)などがある。
関連ページ :7−1
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■管理変動相場制度 (管理フロート制度)
1日の変動制限幅を超えて変動できない為替制度。通貨危機以前の韓国、インドネシアはこの制度であった。この変動幅が小さければ小さいほど、為替レートは変動できず、固定相場に近くなる。
関連ページ :1-2
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■クローニー資本主義 (crony capitalism)
「なれ合い・縁故の経済」などと訳され、一部の企業家が賄賂などで大統領など権力者と結託し、特別な利益を得るような非効率的な経済。
関連ページ :2-3
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■コーポレート・ガバナンス (corporate governance=企業統治)
経営者が効率的な経営を行うよう規律づけるシステム。
関連ページ :5−2
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■コンディショナリティ (conditionality)
通貨危機に陥った国がIMFに救済を求めた時、IMFが救済融資を与える条件として、当該国に実行を求めた経済政策。コンディショナリティと救済融資が合意した場合、IMFは1〜3ヶ月ごとに、コンディショナリティで求めた経済政策が正しく実行されているか厳しくチェックする。
関連ページ :5-1
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■資本収支危機
1997年のアジア通貨危機は、1980年代までの経常収支の赤字拡大による通貨危機とは異なり、ポートフォリオ投資や銀行融資という資本収支の次元でマネーが短期間で大量に流出したことが主な原因として起こったので、「資本収支危機」と呼ばれる。
関連ページ :3-2
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■新宮沢プラン
1998年10月に日本がアジア支援のために300億ドルの支援を実施するとした支援策。
関連ページ :6−2
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■通貨バスケット制度
経済関係が深い複数国の通貨を加重平均して構成した通貨バスケットにより自国通貨の為替レートを決定する制度。バスケット(かご)の中に、米ドル、ユーロ、円、中国元などを入れ、それぞれの変動を反映させて自国通貨の為替レートを決める制度。
関連ページ :1-2
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■デフォルト (債務不履行)
満期がきた債務を返済できなくなること。
関連ページ :2-1
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■伝染効果 (contagion effect)
1997年7月、タイで始まった通貨危機は、瞬く間に東南アジア、さらに東アジアに伝染病のように広がった。短期間に近隣諸国に波及したアジア通貨危機のこの特徴が「伝染効果」と呼ばれている。
関連ページ :1-5
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■ドル・ペッグ制度
ドルに対する為替レートを「くぎ(ペッグ:peg)で打ちつけたように」固定する制度。香港ドルはこの制度であり、現在まで1ドル=7.8香港ドルで固定されている。
関連ページ :1-2
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■プラザ合意
1985年9月ニューヨークのプラザホテルで開かれたG5(先進5カ国財務大臣・中央銀行総裁会議)で、これまでのドル高を修正し、ドル安へ向けて各国が調整することを合意した。このプラザ合意以降、急速にドル安・円高が進んだ。
関連ページ :1-3
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■ヘッジ・ファンド (hedge funds)
特定の資産家・企業から巨額の資金を預託されて、世界の金融商品・通貨で運用しハイリターンをもたらすとされたファンド。ジョージ・ソロスのクォンタム・ファンド(Quantum Fund)や、98年に破たんしたLTCM(Long Term Capital Management)など多数ある。
関連ページ :1-4
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■ポートフォリオ投資 (Portfolio Investment)
資本収支の1項目である「証券投資」のこと。配当や価格上昇を目的に海外の株式・債券(国債や社債)などの証券に投資すること。株式への投資の場合も当該企業株式の10%以下の所有で、経営権への関与を伴わない(海外の企業の株式に投資しその企業の株式の10%以上を所有する場合は、経営に参加するという意味で、別の項目の「直接投資」となる)。
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■ロール・オーバー (roll-over=短期債務の借り換え)
満期がきた債務を再び借り換えて延長すること。
関連ページ :2-1
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