human and environment
1-1. どうして母乳がでるの?
- ヒトからみた環境 - 玉利 祐三
- 母乳分泌のメカニズム
- 母親が我が子を見ることによる視覚的刺激、その泣き声を聞くことによる聴覚的刺激、そして吸引による乳頭の物理的刺激により、母親から下垂体後葉ホルモン、オキシトシンが分泌され、その結果乳頭から乳汁があふれでるとされている。
また、吸入・搾乳によっても乳腺刺激ホルモン、プロラクチンが分泌され、乳腺の発育促進、乳汁の生産と分泌が行われる。
オキシトンは、他の作用として子宮筋肉の収縮を司るので分娩後に初乳を乳児に与えることは、母親の子宮回復に非常に有効である。
なおプロラクチンは、出産後の月経の再来の抑制、すなわち卵巣からの排卵を抑制する。従って、授乳には、100%ではないが避妊効果があり、母乳哺育が終わるまで、次の妊娠を抑制する効果がある。
母親から新生児へ初めて授乳される初乳は、早い人では分娩直後から、一般的にはおおむね分娩後24〜48時間経過後に開始され、一週間後には十分な量の母乳が供給される。
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