human and environment
4-1. 環境ホルモンとは
- ヒトからみた環境 - 玉利 祐三
環境ホルモンとは、環境中に放出された化学物質で、動物やヒトがこれを摂取すると、体内で本来のホルモンと同様の作用をし、正常なホルモン作用を乱すなど悪影響を及ぼす物質のことです。そのため、専門家では「内分泌攪乱化学物質」と呼ばれていますが、一般的には「環境ホルモン」と呼ばれることの方が多いようです。
ヒトが地球上で生活するうえで、空気、水、食物の摂取を余儀なくされます。これらの中に極微量の環境ホルモンが含まれていても、摂取すればヒトに悪影響を及ぼすというのが現在のおおかたの見解です。現在のところ、環境ホルモンと疑われている化学物質は約70種類ありますが、このうちダイオキシンが、マスコミでは特に大きく取り上げられているようです。このように「極微量のダイオキシン」といいますが、どの程度の量の摂取までが安全で、どれ以上の量を摂取すれば危険かということについて、あいまいな「極微量?」の意味を正確に理解することがまず必要です。 この章では、ダイオキシンという化学物質について、次いで極微量の安全基準値の意味するものを解説しています。 ![]() |