human and environment
2. 地球と同じような生命体を宿す
  惑星をもつ恒星は他にあるか?
- 私たちの住む地球 -  太田 雅久

地球はそれらの恒星の中の一つである。太陽のまわりをめぐる自ら輝くことのない惑星である。

生命体に不可欠なタンパク質は地上に豊富に存在するC, H, O, N, P等の元素をもとにして作られた高分子である。これらの高分子の合成、分解に必要なエネルギーは

数eV 〜 数10eV

  (eV:エレクトロンボルト) の程度である。

太陽は表面温度がおよそ6000℃であり、これは水素を燃やすことによって一定の温度に保たれている。

  2H2 + O2 → 2H2O + 熱(eVのオーダー)

という化学反応でなく、

  41 H → 4He + 26.2MeV(pp1)

という原子核反応による水素の燃焼である。

従って、太陽は天然の核融合炉になっている。この6000℃という温度により放射される光のエネルギーは
  1. 数eVのエネルギーが主体で、生命体に深くかかわっていること、
  2. 太陽と地球の距離(1.49×1011m)が地球に適切な熱の供給を可能にしていること、
  3. 地球の大きさ、特に重力の大きさが大気を宇宙にのがすことなく、地表にとじ込め、生命体に有害な紫外線をカットしていること。

これら生命体を宿すのに必要な条件が地球にはととのっている。1023個の恒星の中で、この条件を満たしかつ地球のような惑星をもつ確率は極めて小さいと考えられる。例えば、太陽からの距離が10%大きいと、地表温度は12℃下り、逆に10%小さいと12℃上がる。


1eVとは?