human and environment
8. 大気の存在を考慮した模型
- 私たちの住む地球 -  太田 雅久



大気は地表からはなれるに従って指数関数的に大気成分(N2 ,O2等)の密度が減少する。

また、大気の温度も対流圏では100m上がる毎に約0.6°〜0.7℃下がり、成層圏では徐々に上がってゆく。

これらの特徴は地球表面での重力の加速度g=9.8m/see2に依存していて統計物理学の考え方を用いて説明できる。
図 10
木村龍治、立て平良三、西田弘
「うずまく大気と海」



物理学では、この大気をひとまとめにして、大気の層として単純化し、大気層と地表という2つの要素から成るモデル系を考える。

そして、これらの2つの要素間の熱の出入りを調べ、熱の出入りが定常的であるとして方程式を作る。

図 11
E.Boeker and R.von Grondelle Environmental Physics (John Wiley,1995)


もっと精密な地球表面近くの温度予測を行いたいのなら、図10の大気の構成上の特徴をふまえて、もっと多くの要素を模型の中にとり入れるとよい。

例えば、これら4つの要素を考え、各々の要素間の熱の出入りを方程式に表し計算すると、各要素の温度が求められる。 これから考える模型は要素が2つで、大気の温度Taと地表の温度Ts を予測するものである。  → 
成層圏 T3 Ta
対流圏の上部 T2
対流圏の下部 T1
地球表面 Ts