human and environment
1-2. 主食としての米、消費量と米価
- 環境と文学 -  高阪 薫

  • 日本人は、主食の米を一年間に約68kg消費している。昭和三十年代は約120kg 。米の消費は減少し、660kcal/2638kcal(1日摂取カロリー) と四分の一である。

  • 米の年間収穫量は、約 900万tである。農家人口は約1700万人(平成10年)

  • 反(10a)当り 収穫量は、慣行農法で約600kg,有機農業で約300 ~350k。

  • 米価:10kg当たり(消費者買値)
      有機米玄米 約6200円(産消提携・兵庫県市島町)
      有機米精米 約6400円(産消提携・兵庫県市島町)
      市販米精米 約4500円(コープ神戸)

  • 日本で高く売れている米は、東北地方の有機米である。

     売れ筋ランキング-コメ-
     このデータ使用は、伊勢丹新宿店および朝日新聞社の許諾を得た上のものです。
      名称(産地) 種類 価格(円)
    1 新潟魚沼の米 コシヒカリ 5kg 4,500円
    2 魚沼倶楽部 コシヒカリ 5kg 4,200円
    3 新潟県産 名水の恵 コシヒカリ 5kg 4,400円
    4 秋田県大潟村 自然米 あきたこまち 5kg 3,450円
    5 宮城県産 ひとめぼれ 5kg 2,550円
    6 山形県産 はえぬき 5kg 2,600円
    (朝日新聞:4月1日~30日、伊勢丹新宿店) 


     バブル期のNTT株の高騰(株券一枚119万5千円が186万5千円に上がる)によって二日だけもってすぐに売り、二日で60万円儲けた百姓の話。そんな泡銭と汗水垂らして作った米100 俵分(1,2ヘクタールの田圃が必要)の金とが一緒という虚しさ。濡れ手に泡ごときお金が出入りするいまの世の中、正当な労働に対する報酬の少なさ。
            (『いま、米について。』山下惣一講談社文庫)



  • 食料自給率(カロリーベース)は42%、穀物自給率は30%(平成七年度)となっている。

     食用農水産物の自給率の推移     (単位:%)
      昭   和 平   成
    単位:年度 40 50 60 6 7 8 9












    95 110 107 120 103 102 99
    小   麦 28 4 14 9 7 7 9
    豆   類 25 9 8 5 5 5 5
    野   菜 100 99 95 86 85 86 86
    果   実 90 84 77 47 49 47 53
    鶏   卵 100 97 98 96 96 96 96
    牛乳・乳製品 86 81 85 72 72 72 71
    肉類
    (鯨肉を除く)
    90 77 81 60 57 55 56
    砂 糖 類 31 15 33 29 35 32 31
    魚 介 類 109 102 96 70 75 70 72
    穀物自給率 62 40 31 33 30 29 28
    供給熱量自給率 73 54 52 46 42 41 41
    資料:農林水産省「食料需給表」




  • 昭和59年度以降、日本は世界第一位の農産物純輸入国となっている。日本は人口では世界の2%であるが、輸入食料では世界の農産物貿易額の9.3%を占める。



  • 日本が輸入している主要農産物の生産に必要な海外の農地面積は、約1200万haとなっている。これは、国内農地の約2.4 倍に相当する。



  • 日本は、国土面積が小さく平坦な土地が少ない。また、農地価格、賃金、生産資材価格、光熱料金も割高となっており、諸外国と比べて、農産物の生産コストが割高とならざるを得ない面がある。

     農地条件、賃金、生産資材価格、光熱料金の日米比較(1995年)
      日本 米国 日本/米国
    農地条件
     農家一戸当たり農用地面積(ha)
     農地価格(千円/10a)
    1.5
    1697
    189.8
    15.0
    1/127
    113倍
    製造業賃金(円/h) 2206 1233 1.8倍
    生産資材価格(硫安・円/t) 33650 20650~18020 1.6~1.9倍
    電気料金(円/kwh) 17.4 4.4 4.0倍
    ガソリン価格(円/L) 108.1 28.5 3.8倍
     資料:農水産省調べ
     注:電気は産業向け販売価格、ガソリンはスタンド等における平均小売価格である。