human and environment
2-4.21世紀の医療環境変化への予測
  (高齢化と少子化、胎児診断の問題など)
- 医療環境と生命倫理 -  谷 荘吉

 時代の流れの中で、身体に影響を及ぼす因子として、注目すべきことは、自然環境、生活環境の変化による生活習慣の変容である。社会的な居住生活環境の衛生状況や個人としての栄養、運動、労働、休養、嗜好などの生活習慣の有り様が、公衆衛生上の疾病動態を左右する。そして、発生した健康障害に対する医療環境の対応により、生存に関する安全度が変化する。人口動態への影響も、国家的見地からは、問題になるであろう。高齢化による老人問題は、疾病治療のカテゴリーでは、医療経済上から破綻を来しており、老人の病気治療の一部が、福祉対策として、介護保険制度の発足により、健康保険診療による病気治療ではなく、介護の概念で、日常生活障害に関する介護を主体にしたアプローチがなされるようになる。前述のバイオエシックスに関与した問題として、胎児診断の発達により、奇形児対策をどうするかが近未来の重要課題である。



人体骨格標本
講談社 薄井坦子「ナースが視る人体」



顕微鏡写真 細胞ウィルスの電子顕微鏡


救急車の患者搬送


クローン牛 家畜改良センターにて撮影


体外受精


大学病院の概観