human and environment
3-2.公衆衛生環境と感染症問題
- 医療環境と生命倫理 - 谷 荘吉
従来の公衆衛生問題は、生活環境上の感染性汚染による流行病の課題が中心であった。戦後の生活環境の改善、労働条件の制約、食料事情の好転など、総合的な生活水準の向上により、感染性疾患は殆ど姿を消すことになった。 生活環境が清潔になったことで、一般細菌やウイルスに対する免疫が低下し、身体的抵抗力の低下が存在することが予想出来る。ある意味では、生命力の衰退といえるかも知れない。 最近の事例としては、病原性大腸菌(O−157)による食中毒、集団発生が話題となった。 戦後の肺結核対策が功を奏したような錯覚のもとに、学校保健対策の中で、ツベルクリン検査、BCG接種対策が中止されるようになった。それが主たる原因とはいえないが、近年、肺結核の急激な増加が問題になっており、厚生省は、「結核緊急事態宣言」を発令している。従来結核予防対策は、保健所の主要な任務であったが、保健所統廃合政策によって、感染症予防、結核予防などに関しては、業務縮減が行われています。現状をどう打開するかは、保健所としてどのように対応するかは、重大問題である。そして、現在の医療関係者の集団発生は、最近の感染症問題として、非常に重要な課題となっている。 身体的環境と医療環境 環境汚染と公害病 ゴミの山環境汚染 点滴している患者 エルニーニョ現象 三和総合研究所研究開発第2部監修、かんき出版編集部+ビッグベン編著 「手にとるように環境問題がわかる本」p49 |