human and environment
4-5.死を迎える環境
- 医療環境と生命倫理 -  谷 荘吉

 終末期の医療はどうあるべきかについては、まだ議論の余地のあるところだが、絶対絶命の病状にどう対応するかは、医療面では、医学医療の限界を越えている問題として受け留めるべきである。

 それは、宗教的なアプローチを主体として、生活感情的、地域文化的習慣上などの問題に帰すことが出来る。

 最近では、スピリチェアルケアという概念で、宗教的な面ではなく、心の問題、魂とか霊魂とかの問題として捉えられていることもある。

 そうした、死別の場面における最も重要な要因は、「別れの作業」であると筆者は考えている。

 すなわち、医療者およぴ、臨死患者をとりまく家族の側からいえば、「死をみとる」ということになる。

 死別の悲嘆は、死の瞬間に突然噴出するように見えるが、事実上は、致死的状況が決定した時点から、「予期悲嘆」という概念で考えられているように、死別後の悲嘆の先取りという現象が存在する。

 その予期悲嘆への医療者の配慮が、死別後の悲嘆に深い影響を及ぼすことになる。

 死別後の遺族の喪失悲嘆をいかにして軽減するかが、心の癒しの面で非常に重要な課題となる。





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