human and environment
一般環境大気常時監視システムについて
- 一般環境大気常時監視局速報値 -

○一般環境大気常時監視システムについて
 本調査は一般環境大気中の汚染質を県内各地に設置した測定局において、自動測定器により年間を通じて常時測定を行っているものである。そして、そのデ−タはテレメ−タ−・システムにより1時間毎に行政機関(兵庫県内では22市)のキ−局に送られ、それぞれのコンピュ−タに蓄積されると伴に、リアルタイムでデ−タ通信システムにより兵庫県庁・環境情報センタ−に集約されている。そして定期的なデ−タの解析処理が行われる。なお、この常時監視システムは全国規模で各都道府県の単位で実施されているものである。

 このデ−タによる環境の評価は「環境基本法」第2章第3節第16条の中に設定されている「環境基準」の内、「大気の汚染に係る環境基準」を根拠として短期的評価、長期的評価としてなされる。環境基準は「人が健康で快適な生活をおくる為に達成することが望ましい目標基準」とされていることから、二酸化硫黄では5年以内、二酸化窒素では7年以内など達成期間が定められている。また測定方法についてもデ−タ評価の際の統一性を図るため環境基準の中で規定されている。

 一方で、この環境基準は、工業専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域または場所については適用されないことになっている。


大気の汚染に係る環境基準
二酸化硫黄(SO
1時間値の1日平均値が0.004PPM以下であり、かつ、一時間値が0.1PPM以下であること。
短期的評価:
同上
長期的評価:
年間の1日平均値の内、高い方から2%の範囲にあるものを除外したのちの最高値が0.04PPM以下であり、かつ、年間を通じて1日平均値が0.04PPMを超える日が2日以上連続しないこと。
二酸化窒素(NO
1時間値の1日平均値が0.04PPMから0.0.06PPMの範囲内、又はそれ以下であること。
評価方法:
年間の1日平均値のうち、低い方から98%に相当するものが0.06PPMを超えないこと。
注) NOx = NO + NO
大気中浮遊粒子状物質(SPM:粒径が10μm以下のもの)
1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下で、かつ1時間値が0.20mg/m3以下であること。
短期的評価:
同上
長期的評価:
年間の1日平均値の内、高い方から2%の範囲にあるものを除外したのちの最高値が0.1mg/m3以下であり、かつ、年間を通じて1日平均値が0.1mg/m3を超える日が2日以上連続しないこと。
オキシダント(Ox)
1時間値が0.06PPM以下であること。
短期的評価:
同上
長期的評価:
なし
注) オキシダントとは光化学スモッグの原因となる第一次酸化性物質をいう。


○神戸市の目標達成状況
 一般環境大気に係る汚染物質のモニタリング・デ−タの評価について、例として、神戸市内の13地点に設置されている大気監視局に於ける平成9年度の測定結果に基づく、環境基準の達成状況を示す。(神戸市大気汚染調査報告、第40報、平成11年3月公表、神戸市環境局環境保全部・環境情報課)

二酸化硫黄(SO
短期的評価および長期的評価ともに全監視局で環境基準を達成。

二酸化窒素(NO
兵庫南部局のみ非達成、他の12局は達成。

浮遊粒子状物質(SPM)
短期的評価に於いては8局が非達成、長期的評価では須磨局と垂水局の2局が非達成。

光学オキシダント(Ox)
昼間の1時間値が0.06PPMを超えた時間数は、測定12局で延べ3,209時間であり、全局の延べ実測時間の5.1%にあたる。つまり、全測定期間の5.1%が環境基準を非達成であった。