貸借対照表 財務諸表論

 企業が一定時点で保有している資産・負債・資本の額を一覧表示し、企業の財政状態を明らかにする表を、貸借対照表(Balance Sheet:B/S)と呼びます。
 資産とは、企業が経済活動をするうえで役に立つモノや権利をいい、具体的には、現金、商品、土地、貸付金および売掛金などがあります。負債は、借入金や買掛金といった、企業が将来返済すべき債務つまり借金です。また資本とは、資産の合計額から負債の合計額を差し引いた差額、つまり企業が調達ないし出資した元手を意味します。これら3つの間には次の関係が成り立ちます。

資 本 等 式 資本 = 資産 - 負債
貸借対照表等式 資産 = 負債 + 資本

 貸借対照表の作成方法には棚卸法と誘導法があります。棚卸法は資産と負債を実地棚卸してまとめ、その差額を資本(純資産)として表示する形で作成する方法です。この方法で作成されるものとして、開業貸借対照表、清算貸借対照表などがあります。誘導法は、総勘定元帳上の資産、負債および資本の各勘定の残高として作成する方法であって、決算貸借対照表はこの方法で作成されます。
(伊豫田 隆俊)