ポートフォリオ理論 証券論


 資産を保有する場合、銀行預金、公社債購入、株式投資の形態がありますが、一定の資金をどのように配分して資産保有するのがよいでしょうか?

 各資産の特性は、期待収益率とリスクよって測られます。ここでのリスクとは、収益率のばらつきのことで、高収益から低収益まで広くばらついているような場合リスクが大きいとなります。リスクから見れば、リスクを分散できる銀行への債権、銀行預金が一番安全す。次いで債権、持分権である株式が一番危険です。もちろん、株式や債権の中でもリスクと期待収益の異なるものが存在し、投資家である家計は、一定の投資基準を持たなくてはなりません。この答えとなるのが、ポートフォリオ理論です。

 ポートフォリオとは、任意に分散化された資産保有の束のことです。ある金額を異なる危険資産に分散投資すると、資産運用リスクを軽減できます。例えば、一人の子供に卵を買いに行かせて負う卵が割れるリスクを二人の子供に託すことにより軽減できることに似ています。会社でいえば、二つのリスクの異なる収益を同時に持つことは、一つの収益を持つよりも安全ということです。どのような比率で資産を保有するかは投資家個人によりますが、複数資産の保有で、実現する期待収益とリスクの組み合わせの集合は確定されるので、その範囲で満足度(=効用)の最大化を考えた場合が最適ポートフォリオとなります。

(大塚 晴之)