経営財務論 |
従来、日本企業の資金調達は銀行を中心とする、金融仲介機関からの借り入れ(=間接金融)でした。これは、日本の資本市場が未発達であったこと、メインバンクを中心とした企業集団が経済の中心を占めていたことなどに原因があります。高度経済成長期においてはよい機能でしたが、1980年代に入り、資本市場が整備されると、資金調達コストを最小化するという企業の要請と投資家の裁断の結果、株式や社債の発行による直接金融(=エクィティ・ファイナンス)が急激に増加しました。資金コストを最小にし、経済厚生を高めるもので望ましい動向です。 しかし、80年代後半に起きたバブルの崩壊がこの動向に水を差し、証券市場の今後の発展が懸念される時もありました。その後の金融の自由化・国際化の流れの中で、エクィティ・ファイナンスは確実に根付きつつあります。 |
(大塚 晴之) |