光電効果を理解するのに役に立つ一つの物語を紹介します。
「エレガントな宇宙」ブライアン・グリーン著、林一・林大訳(草思社)は宇宙のすべてを解明する超ひも理論をやさしく論じた本ですが、その初めの方に量子力学に関する記述があります。P.135の「エネルギには最小単位がある」と、P.139の「エネルギーがかたまりをなすとはどういうことか」の部分です。以下にその概略を示しますが、読んでみたいと思う方は教員に申し出てください。本をお貸しします。
膨大な地下室に閉じ込められた無限の数の人が居ると仮定する。地上に上がって解放されるには、85セントを守衛に払わなければならない。地上から1セントコインを無数に投げ入れても、数多くの人にゆきわたる確率は小さい。まして、85枚も集めて地上に出ることのできる人は皆無である。5セントコイン、10セントコイン、25セントコインの場合でも同じ状況であることは想像できる。
しかし、1ドル紙幣を1枚投げ入れると、運良くそれをつかんだ人は地上に上ってこれる。つまり、地上に上ってこれる人をつくることは投げ入れるお金の総額の大小ではなく、お金の単位である。また、1ドル紙幣の数を増やすと、地上に上ってくる人の数は増えるが、その人たちの手元に残ったお金は、大部分の人は15セントである。この残額は、再び投げ入れる1ドル紙幣の総数とは無関係である。
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この話が光電効果とどのように関係するのか?
ここまでで理解しにくかった人は本を読んで下さい。