社会調査工房オンライン-社会調査の方法
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5-1-7 周到な準備―あたって砕けるな
学生からのコメント−何のためにどんな道具を使う?

⇒ 路上ライブのフィールドワークにおいて、記録(無形の情報を有形にする、情報としてとりだしやすいかたちに置換する、第3者に提示しうるかたちに整理、編集する)ために、何(文具、機材など)を用いますか。それを用いる状況を想像して道具の用途を具体的に説明してください。

以下、学生のレポートから抜粋、記録とは直接関係のない道具等も含む

機材
  • テープレコーダー等は、相手にいらない警戒心を与えかねないが、話の内容が長く、正確性が求められる調査である場合は、許可をとったうえでの使用もありえると思う。また内容によってはカメラも使うことがあると思う。例えば路上でのインタビューでその雰囲気が分かるように記録する場合などである。インタビューの相手を撮影するのは、少々失礼な気もするが、インタビュー相手の表情、動作なども資料になりえると思う。
  • 音楽等、記録したい場合にはテープレコーダーやMD録音機で実物を録音するのが一番いい。ただし、録音するときに相手に一言断りを入れる必要がある。映像を記録する場合はカメラデジカメ、動画の場合ならビデオ・カメラ。ただし相手が緊張、警戒してしまって期待したとおりの記録ができないこともあるだろう。
  • ビデオ・カメラ(誰かに直接インタビューする時にビデオ・カメラがあればその場の状況やその人の表情や口調などが一度に記録できるから便利だと思う)
  • デジタル・カメラ(情報収集した場所の周囲を写せば、そこに年月日や時間も記録されるので忘れる事もなく、一石二鳥である)(パソコンで改めて自分のいたところを拡大して分析するため、外で分からないことが分かるかも)(フライヤーの並べ方をとったりする)
  • カメラ付き携帯(最近便利だから時間も分かれば、記録もできれば、情報交換も、画像もとれる)(インタビューする人にちょっとした質問を問い合わせたり、またお金がない時にカメラで撮るよりも携帯のカメラで撮る方が無料で自分がたどってきた道を思い出すため)
  • 持ち運べるノート型パソコン(気になったことをすぐに調べるため)(どこにいても路上ライブの情報を知ることができて、もし近くでやっているならスグ行ける!あとインタビューのメモとかもすぐWordに打ち込める)
  • 私は現場でノートパソコンを持っていったら便利だと考えたのですが、やはり、現場では身軽さが要求されるのではないだろうか、と思った。加工するのは家に帰ってもできる!
  • オペラグラス(遠くから観察することも重要。見えなかったものが見えてきます。客観的方向性とか主観的認識が行える。望遠カメラでもいいけど)・双眼鏡(遠くのものを詳細に捉えることができ、調査時間を短縮できる)
  • マイク(マイクを向けられて話をしたときと、マイクなしだと答に違いはあるか?)
  • コピー機スキャナープロジェクター(第3者に説明するときのため)、音量計量機
文具
  • インタビューなど、要所をおさえる形式の調査ならB6くらいの大きさのメモ(ノート)が便利。記録用には、油性のボールペンを使えれば水にも強く、鉛筆ようにこすれば字がかすれない。メモにスケッチをする場合もある。これは調査地が、駅内、デパート内などであった場合に、間取りをざっと図に描いておく。建物の細かい地図はないことが多いため(道具ではないけれど)
  • 文具屋で働いているけれど、油性ボールペンは水に強くないですよ。こするとにじむし、今はゲルインキボールペンがよいですよ。乾くと耐水性、耐光性です。
  • 資料として使いやすくするためには、やはり紙におこすのが一番だと思います。インタビューなどメモするのに必要です。さらにカメラで写真をとるのもいいと思います。そのときの雰囲気を伝えるのに役立ちますし、カメラが無理であれば、色鉛筆でざっと絵をかくこともあるかもしれません。他にインタビュー時間を計るのにストップウォッチが役立つと思います。
  • まずはメモ帳鉛筆。相手もインタビューされるとわかっているなら、メモをとるくらいは当然だと思っているだろうから、特に構えるようなこともないと思う。ただし、相手の話のペースを優先させるため、すばやく簡単に書く必要がある。
  • 表計算ソフトを使い得た情報(とくにフライヤーの情報メイン)、バンド名、ライブ日時、ライブ場所、音楽ジャンル等の項目を入力しておき、いつでも調べたい情報をソートして使えるようにしておく。
  • インターネット、例えば、ホームページ等で得た情報を同じファイルの中に入れる。
  • 温度計(路上ライブだったら外でやるので、その時の気温、天候を記録するのも面白い)
  • フライヤーなどが分かるような両面クリアファイル。これだと一目でどんなファイルが入っているか分かるし、何より分類しやすい。そのクリアファイルごとにシールを貼って、いつ、どこで、どのような調査をしたかを明瞭に記入しておく。ボールペンを使用した方がいい。鉛筆だともしかしたら消えてしまうかもしれないし、何より書きにくく思えるから。もちろん油性で。
  • 体験を記録するために日記を書く
  • 台紙白い紙か何か、写真をとるときに下に敷く。画用紙(絵で記録を残すときに使う。)
  • 手帳(スケジュールをその場で把握、約束しやすい)
  • アンケート用紙(多数の人に特定のことを調査したいときに使う)
  • 手紙(対象者との文通として記録する。自分が出したものも保存する)
  • グラフ表(ノート)(多数の資料を集めてそれらの特徴を項目にし、統計をとって記録する)
  • スケッチブック・色鉛筆(同じ場所を自分が描いた絵と写真では、どのように違うか?みたいな)
  • バインダー(アンケートを回答してもらう時に書きやすいように)
  • シール(地図に場所を書き込むときにシールのほうが目立つと思う)
  • 付箋(フライヤーに必要な日時などの情報をかいて貼っておく、フライヤーも大切な資料だから直接、書き込まない)
  • はさみのり(新聞記事や雑誌記事を切り抜いてスクラップするときに用いる)
  • パンチ&リング(書き留めたものをバラバラに組みなおせるように)
  • ナイロン袋(雨が降ったときに資料がぬれないようにするため)
  • 袋型のファイル(見やすく整理しやすいから)
  • 透明な袋ジップロック(場所ごとのフライヤーとか別々に入れるから)
その他
  • インタビューが長引きそうな場合、手ごろな飲食店などでインタビューの場所をセッティングする必要もある。また、比較的狭い範囲内(1つの町単位くらいで)移動する調査、たとえばビラが貼られている範囲を調べる時などに、自転車原付などの小回りのきく交通手段を用意すると効率が良くなると思う。
  • インタビューする人ののっている雑誌記事(考え方など、インタビューするときに忘れてしまった事柄を思い出すため)
  • プレゼント(好感度を上げるため)
  • 名刺(もし深く入っていくならば自分のことも知らせておくべきで、連絡先など明らかにしておいたほうが相手も安心できる)
  • リュックポーチなど(調査しやすいように両手を空けておいたほうがいいかも)
  • 上着(寒さ、暑さ対策)、大きめのカバン、小さめのカバン
  • ズボン(座りこむから、その人の目線に合わせるため)
  • スニーカー(歩きやすいように)
  • 帽子日傘(日差しが強い中でインタビューする場合、相手と自分が日射病にならないよう、気持ちよく答えてくれるように)
  • 長時間の調査になると集中力もなくなってくるしお腹もすいてくるのでチョコあめなど甘いお菓子があるといいかも。

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