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6-1-4 単行本を調べる
体験記:相互利用制度は難しくない! R.W.「わたしは、こうして資料を手に入れた!」

 今日もまた疲れただけだった…と半日パソコンを見つめ続けて充血した目でため息をつくということが今まで何度あっただろう。
 レポート課題や、3回生になってからはゼミでの研究発表の資料集めのために私はいつもインターネットと新聞検索を利用していた。私がゼミの研究テーマにしようと思っている「盲導犬」と検索エンジンに入れると、インターネットなら何千件とホームページが見つかるし、新聞検索でもかなりの情報がある事がわかる。しかし、私が知りたいと思っている情報をたくさんのホームページや新聞記事の中から探し当てるのが難しく、ひたすらホームページや新聞記事を時間をかけて読みあさったのに、得た情報といえばちっぽけで、自分が「盲導犬」の何について知りたいのかさえわからなくなってきていた。「盲導犬」に関する書籍はかなり出版されているが、専門書のようなものは本屋で見つからず、仕方なく手にとった本も一冊読むのに時間がかかるし、そこで得られる情報もまたインターネットや新聞記事で得たものとあまり変わりはなかった。盲導犬ユーザーとなった人の苦労話や感動したことなどの経験談ではなく、盲導犬が普及しているといわれている外国の状況や、盲導犬はどのように認識されているのか、なぜ日本にはなかなか普及しないのかという私が知りたいと思っていることを莫大な情報を目の前にしても見つけることが出来ず、そのような研究はおこなわれていないのかとさえ思った。
 そんな時、先生が論文検索の話をしていた事を思い出した。どうも手続きが面倒くさい気がして今まで利用しなかったのだが、どのように研究を進めていったらよいのか途方にくれていた私はとりあえずやってみようと思い、先生に方法を教わった。マガジンプラスで、キーワードを盲導犬にすると113件の論文があり、一覧表をコピーして自分が読みたいと思う論文があるかチェックするという先生の説明に、実は最初は少し戸惑った。論文名を一つ一つ113個もチェックするなんて時間がかかりそうだなと思ったからだ。しかし、論文名を読むうちに、私が知りたいと思っていた事が書かれている論文がたくさんあり、他にも読んでみたいと思う表題のものがあった。論文名を一つ一つチェックするといっても20分もあれば終わる作業で、半日インターネットで検索するのと比べると楽なものだ。ただ、問題は読みたい論文がすぐには読めないということだ。
 読みたいと思ったら、その論文はどこの大学に所蔵されているのかをウェブキャットで検索して、甲南大学になければ図書館の相互利用というシステムを利用して取り寄せなければならないからだ。相互利用の具体的な手続きがよくわからず、先生の「論文を取り寄せるのは結構大変な作業なのよ」という言葉を思い出しつつ図書館2階の相互利用カウンターへ向かった。カウンターで、相互利用で論文を取り寄せたいけれど方法がわからないと言ったら、親切に教えてくれた。用紙に必要事項、(氏名、メールアドレス、書誌ID、誌名、論文名等)を記入してウェブキャットの所蔵図書館一覧を一緒に提出すれば、図書館の方で他大学に申請手続きをしてくれるという。論文が到着すれば記入したメールアドレスに連絡するので取りに行き、その際に料金も支払うということだった。意外に簡単な手続きに私はびっくりした。そして5日程経った頃から論文が届いたという連絡がくるようになった。取り寄せた論文は正直言って当たり外れがある。期待していたような事が書かれていない場合もあるが、その論文の全てが役に立たないという事はないと思う。そして、論文を読んでいくうちに、新たな疑問が出てきたり、自分の考えがより鮮明なものになるように思った。
 取り寄せた論文の参考文献もまた非常に役に立った。取り寄せた論文は自分の興味のある内容なので、その論文の参考文献もまた興味深い論文である事が多く、いもづる式に知りたい情報を手に入れられるように感じた。論文にはかなり専門的なものもあったが、難しくて理解できないという事はないし、わからなければ流し読みをするなり、納得するまで調べてみればいい。論文検索で、手元に論文が届くまでに時間はかかるが、パソコンの前でげんなりするまで検索していた事と比べると結果的に効率も良いと思う。こんなに良い方法があるならもっと早くからしていれば良かったとつくづく思った。
 インターネットや新聞検索が全く役にたたないというわけではないし、すぐに資料が手に入るという点では非常に便利だと思う。しかし、論文検索も想像していたよりも簡単だし、相互利用というシステムも利用しない手はないと思う。発表まで後一週間とせっぱつまった状況では利用できないがぜひ時間に余裕を持ってみんなも利用してみては?と思う。


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