社会調査工房オンライン 社会調査工房について 甲南大学文学部社会学科 
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社会調査工房とは
21世紀に入り、私たちの生きる社会は大きく速く変化しつつあります。今までに経験したことのない複雑な問題も多く生まれています。甲南大学文学部社会学科での教育は、そうした現代社会を独自の視点から分析し、問題の解決について考える力を養うことを重視し、多角的な視点から「社会を読み解く力」を涵養することを目指しています。
分析力と問題解決力を向上させるためには、社会や文化に関する理論について学ぶだけでなく、実際に自分が「現場」に足をはこび、身をおいてみて、見たり聞いたり感じること、その体験を表現したり科学的に分析する「社会調査」の学習と実践の「場」や「機会」が必要ではないか。そんな思いに「社会調査工房」という名前をつけました。

この甲南大学文学部社会学科の社会調査工房プロジェクトは、調査の実践環境である「社会調査工房」、自学自習用のコンテンツである「社会調査工房オンライン」、そして1回生から卒業に至る社会学科の「教育プログラム」から成り立っています。優れた教科書があっても、いざ実際に調査をしようとする際に具体的な手続きがわからない。授業で聞いたことを頭で理解できても、みずから実践する機会がないと本当に学んだことにはならない。便利な機材だけあっても、それらを適切に使いこなせなければ意味がない。社会調査工房プロジェクトは、こうした課題に対応し、教育プログラムと調査環境と自学自習用コンテンツを有機的に連携させることにより、各研究テーマのもと、みずから調査を企画し、実施し、分析・解釈できる人材の育成を目指しています。

社会調査工房プロジェクトは、2003年度に5ヶ年プロジェクトとしてスタートし、2013年度より第三期プロジェクトとなっています。この間様々な成果をあげてきましたが、(1)社会学・人類学教育の場(講義、ゼミ、卒業研究)における調査実践の促進、(2)社会調査環境を前提とした新カリキュラムの実現、(3)社会調査教育コンテンツによる自学自習環境の実現、に整理することができます。2013年度からは、その成果の上に、(1)研究成果の発信や表現に対応した学修環境の刷新、(2)グループワークに対応した調査環境の整備、(3)グループ作業→実査→分析解釈→表現発信のサイクルを、効率的に運用するための環境整備を積極的に行い、「“協働・発信型”社会調査教育環境」の構築を進めています。とくに、社会調査工房オンラインはインターネット上に公開され自由に活用できるため、甲南大学以外でも幅広く利用されるようになってきています。

(文責:2012年度社会学科主任 宮垣 元)