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原価計算 | 長坂悦敬 |
第7章 部門費計算
7-1 部門費計算の意義 |
企業規模が大きくなり、工程が複雑化するにつれて、製品単価当たりの原価を正確に計算することが難しくなる。そこで、原価の発生場所を責任区分ごとに分け、可能な限り正確に消費原価を把握するために部門別原価計算(departmental cost accounting)が導入される。部門別原価計算の目的に次のものがある。
この目的では、部門別に計算する原価の範囲が、製品に跡づけすることが難しい製造間接費あるいは組間接費(第5章参照)となる。つまり、原価計算の第2次の計算段階である部門別原価計算は、「製造間接費の配賦計算」となり、第7次の計算段階である製品別計算が合理的に行われる仕組を提供する。
原材料が各部門を通過して完成品になるまでに、工程完了品が入庫あるいは販売される場合がある。このような半製品ないし中間製品の原価確定にとって、部門別原価計算が提供する原価データは有用である。
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