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原価計算 小倉幸雄
第11章 直接原価計算

11-4  直接原価計算とリニア−・プログラミング(現在、2級の出題範囲には含まれていない)

直接原価計算が様々な利益計画に有効であることは、先述した通りである。
ここでは、そのうちとくに、セールス・ミックスの決定の問題を取り上げ、直接原価計算の役割、さらに、それに関連してリニア−・プログラミング(linear programming;線形計画法)を学習する。

(1)セールス・ミックス

一般に、企業は、数多くの製品を取り扱っている。このように多品種を製造販売している場合、どの製品をどの程度製造販売するか、製品の組み合わせによって、営業利益に大きな影響を及ぼす。そこで、セールス・ミックスの決定が肝要となる。

セールス・ミックスを考える場合、固定費については、製品販売量の変化に関わらず、一定であり、したがって、貢献利益を最大にするような意志決定の選定に主眼が置かれる。

意志決定をなすにあたって、制約条件の数によって、2つのケースに分類される。

  • 制約条件がひとつの場合
    直接原価計算の手法を利用し、その制約条件の中で、貢献利益が最大になるものを選択すれよい。
  • 制約条件が二つ以上の場合
    実際の経営をみてみると、複雑であり、制約条件は多数である。このように、制約条件が二つ以上あるようなとき、直接原価計算だけでは、対応できない。そこで、有効となるのが、リニア−・プログラミングである。

(2)リニア−・プログラミング

リニア−・プログラミングは、経営科学の領域で開発され、いくつかの線形的条件のもとで、線形関数の最大値ないし最小値をもとめる技法であり、希少資源配分の決定の際に役立つ。

セ−ルス・ミックス決定にリニア−・プログラミングを利用する場合、与えられて条件を整理し、必要となる情報を収集し、さらに数式化したうえで、貢献利益が最大となる数値をもとめることが必要である。その解をもとめるにあたり、通常、@グラフを利用する図解法と、Aシンプレックス法とがある。

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