営業費分析を、その適用領域にもとづいて分類すると、製品系列別営業費分析、販売地域別営業費分析、顧客階層別営業費分析、および、販売方法別営業費分析という4つの領域に区分することができる。
- 製品系列別営業費分析
長期価格設定や製品のセールス・ミックスに関わる諸問題等の意思決定に活用され、営業費分析の中で最も重視されている分析法である。
- 販売地域別営業費分析
多くのマーケティング活動は、販売地域を中心に組織化されているため、各セグメントにおいて発生する営業費の大部分は直接費である。したがって、他の営業費分析に比べると間接費の配賦に伴う問題が小さいので、販売地域別営業費分析は、一般に、総益法を用いる。
- 顧客階層別営業費分析
顧客階層別営業費分析では、注文規模、顧客別地域、組織体の種類、販売店の種類などがセグメント別分析の対象となる。
- 販売方法別営業費分析
販売方法には、支店展開、対面、通信、戸別訪問などさまざまな方法が考えられるが、それらの中のどの方法を採用するか、あるいは、どの方法を併用するかといったことの意思決定に、販売方法別営業費分析によるデータが活用される。また、現金売り、信用販売、割賦販売といった取引形態の決定にも、この分析が有効である。