営業費分析(marketing or distribution cost analysis)は、経営管理者がマーケティング管理を推進するために必要とする財務情報を提供する目的で、営業費ないし営業支出を分類し、各費目を売上総利益と比較して、マーケティングの生産性を測定し、評価することである。営業費分析は、純益法(全部原価法)と総益法(貢献利益法)とに区分できる。
- 純益法(全部原価法)
純益法では、セグメント別売上高に、全部の原価を負担させるべきであるという考えにもとづき、全部原価計算の論理が展開される。したがって、間接費の配賦計算が行われるので、配賦基準の信頼性が原価の信頼性を左右する。
- 総益法(貢献利益法)
総益法では、特定セグメントに対し、共通費の配賦が行われない。共通費は、貢献利益の算定後に、そこから一括して控除される。すなわち、総益法では、経営意思決定に有用なデータを提供するという、直接原価計算の思考に合致した論理展開がとられる。