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環境計測のための機器分析法 茶山健二
4章 原子吸光分析法 ヒントは太陽にあった
4-1  スペクトル暗線の謎
 原子スペクトル分析法は、数多く存在する機器分析法の中でも、金属元素を中心とする微量成分の分析法として、半世紀以上も重要な位置を占め続けてきました。そして、更に今後もより一層の発展の可能性を秘めています。現在では、環境分析、材料分析を始め多くのフィールドで原子スペクトル分析が活用されています。原子スペクトルを用いる分析法の原理が見つけられた経緯はとても興味深い話があります。それは、ウォラストンが太陽光を分光した際にスペクトルに暗線があることを発見したときから始まりました。
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