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modern american economy
4-6. レーガン・ブッシュ時代の評価
担当:甲南大学 稲田義久


 3期にわたるレーガン・ブッシュ政権共和党政権はどのように評価できるでしょうか。

 彼らはアメリカの病弊である低い生産性を高め、スタグフレーションの根を絶つために壮大な実験を行いました。彼らはアメリカに結果として大きな負の遺産を残しましたが、このような壮大な実験を行ったことには驚嘆せざるを得ません。壮大な実験が出来るというシステムの柔軟性は日本にはないものといえるでしょう。

 また思想的にはリベラルから保守への回帰が行われた時代といえるでしょう。戦後アメリカが圧倒的な経済力に物を言わせて、60-70年代のようにリベラルな思想を世界に振りまく余裕はなくなりました。自分の足元が危なくなったわけです。

 強いアメリカを目指したにもかかわらず、経済パフォーマンスは悪化の一途をたどりました。この時期はアメリカ人にとっては「期待喪失の時代」であって、ますます内向きになった時代であったといえるでしょう。

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