modern asian economy
8-2. 韓国が実施した金融・企業改革(〜2000年前半)
担当:甲南大学 高龍秀<コ・ヨンス>
■ 金融・企業改革の第1段階:(1997末から1999年前半)
・金融監督委員会FSC:98年4月発足。金融監督院FSS:99年1月発足
・再生不可能な金融機関の整理
・総合金融会社の整理:30社⇒97年末までに9営業停止、98年末までに16閉鎖。
(1)銀行の改革:
a) | 第一銀行・ソウル銀行⇒国有化 ⇒後に外資などに売却しました。
(第一銀行⇒Newbridge;ソウル銀行⇒ハナ銀行が買収) |
b) | 98年に厳格な査定⇒6月に再生不可能な5銀行を他行に吸収させました。 |
c) | 不良債権処理と、公的資金投入による自己資本拡充 |
・ |
不良債権の受け皿として韓国資産管理会社(KAMCO)に不良債権売却
(日本の整理回収機構RCCに相当) |
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KAMCOは2001年末までに簿価ベースで101兆ウォンの不良債権を購入⇒売却、処理しました。 |
・ |
公的資金投入
:98〜99年末まで計93兆ウォン、2000年末まで109兆ウォン。2001年末までに155.3兆ウォン(GDPの3割)。
⇒日本の「経済財政白書2002」 |
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韓国預金保険公社(KDIC)による公的資金投入(資本注入)⇒銀行の普通株取得
KDICは自己資本比率など数値目標を課し、銀行経営に関与し、未達成の場合は経営陣の責任を問うシステムにより改革を進めました。 |
a) |
再生に向け銀行合併
:商業銀行+韓一銀行=ハンビット銀行(ウリィ銀行として金融持株会社の傘下に)
:ハナ銀行+ポラム銀行=ハナ銀行、国民銀行+長期信用銀行=国民銀行 |
b) |
自己資本拡充のために外資の導入
:外換銀行←独コメルツバンク、国民銀行←米ゴールドマン・サックス |
(2)同時に、企業(財閥)改革を断行
・ | 98年にすべての財閥に特別検査⇒政府は債権銀行に「不実企業判定委員会」を構成させ再生不可能な企業の法的整理(98.6に55社) |
・ | 存続可能な企業に、事業部門の売却・統合、債務の株式転換などの改善作業 |
・ | 負債比率を99年末までに200%以下に⇒達成 |
・ | 大規模事業交換(ビッグ・ディール)(例)半導体:LG半導体を現代電子に統合、など |
■ 金融・企業改革の第2段階 (1999年7月大宇グループ破たん〜2000年前半)
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99.7大宇グループが破たんし(負債総額が50兆ウォン以上)金融市場を震撼させました。その余波で社債など資本市場がマヒし、金融機関の不良債権が拡大しました。
さらに2000年4月の米国株式急落に伴って、韓国株式が下落し金融機関の負担が増大しました。 |
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2000年4月には、大手投信3社が債務超過となり、韓国投信・大韓投信に公的資金が追加されました。しかし現代投信は除外され、経営危機に陥りました(その後、AIGと政府の出資で調整) |