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modern chinese economy
はじめに
担当:甲南大学 青木浩治 藤川清史


 1989年6月4日の天安門事件により中国経済は一時停滞しますが、90年代に入ってイデオロギー論争に決着がつき、いよいよ「改革・開放」が不動の国是となります。その転機が1992年1-2月の指導者ケ小平による中国南部視察と講話であり(「南巡講話」と呼ばれています)、同年10月の中国共産党第14回党大会における「社会主義市場経済」路線の確定でした。また、この決定はそれまで明確な方向性を持っていなかった中国において、初めて公式的な路線が示されたという意味で画期的なことでした。そして、この歴史的決定により中国は政治の自由化に蓋をしたまま、経済面での市場経済化に邁進することになります。この章では90年代における中国の成長を、「中国経済の国際化」に焦点を当てて説明します。
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