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modern chinese economy
はじめに
担当:甲南大学 青木浩治 藤川清史


  近年、中国の都市部は急速に発展しています。しかし都市部の輝きとはうって変わって、一歩郊外に出ると様相がガラリと変わります。戦後日本では都市・農村格差、地域格差、所得格差が縮小していき、日本は世界でも稀な「成長と公平」を両立させた国としてその名をはせました。また、おなじ成長と分配の公平性を両立させた国として、お隣の韓国・台湾をあげておきます。しかし80年代前半を除き、改革・開放後中国の成長は日本・韓国・台湾のような展開を見ていません。特に格差は90年代において先鋭化しました。問題は中国固有とは言えないにしても、中国の格差は尋常ではありません。毛沢東の「均富論」の時代から考えれば現状は180度の転換と言えます。そこで次に、都市という現代化のショーウィンドウの「外」で何が起こっているかを説明します。ただし問題は多岐に渡りますので、この章では地域という側面に焦点を絞って概説します。

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