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第20話 |
転換社債を発行したナベちゃんは、その資金で新大阪の本社近辺の土地を手当たり次第に買い集め、大平37年には60階建てのオフィスビル
〈ホワイト・タワー〉を建てました。 大理石でできたコリント様式の柱を持つ入口をくぐると、ビルの内部は60階まで吹き抜けになっていて、その中に大平32年に開発された重力遮断材・オリハルコンで作られた日本古来の大社造りのコンパートメントが200個以上浮かんでいます。 この奇抜な設計のオフィスビルは、個々のコンパートメント内部の重力を自由に変えられることから、宇宙時代にふさわしい新しいオフィスのあり方として話題を呼びました。
有頂天になったナベちゃんは、そろそろバブルがはじけるという久美子の独眼竜予測を無視して、東京・お台場と大阪・難波にホワイト・タワー2、ホワイト・タワー3を相次いで建設しました。
そして、大平38年4月4日、株価暴落。その時、ホワイト・ラビットは、なんと3000億円を超える負債を抱え込んでいました。 さぁ、これは大変です。ナベちゃん、どうする?
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