財務諸表論 |
財務諸表分析とは、財務諸表上の数値を細かく分析・検討することで、企業の収益性や財務の流動性、安全性を測定・評価する手続をいいます。 |
手法は多岐にわたりますが、一般的には絶対的金額で表された分析結果にもとづいて評価をする実数分析と、2つ以上の数値の関係を比率に換算して解釈する比率分析とに大別されます。 実数分析の手法には、2期間の金額を比較する増減法や損益分岐点分析が含まれ、比率分析の手法には、趨勢法、構成比率法、特殊比率法などがあります。さらに分析結果の比較対象を何に求めるかで、時系列分析とクロス・セクション分析に分けられます。このような財務諸表分析は、19世紀の終わり頃からアメリカで始まったといわれています。現在では、財務データベースの充実や情報処理能力の向上を背景に、短期的な安全性の分析だけでなく、株式投資のための分析に必要不可欠な収益性や成長性などを分析するための各種の統計的手法を使った、高度な分析がなされるようになりました。 |
(伊豫田 隆俊) |