競争戦略 経営戦略論

 競争戦略とは、企業のそれぞれの事業に関して、いかにして競争相手に打ち勝ち、収益をあ げていくかについての戦略のことです。
ポーター(Michael E.Porter)は、競争戦略の基本型として、 グラフへ 3つの基本戦略に集約させています。

 「コスト・リーダーシップ
コスト面で業界で最優位に立つことを基本目的として、高い市場シェアとコントロールできるあらゆるコストの削減を目指す。高い市場シェアの達成のためには、効率のよい規模の生産設備を積極的に建設するだけでなく、製造しやすい設計への変更、製品群の設計、部品の共通化を進めるなどの努力が必要。

 「差別化
業界において自社の製品・サービスが特別なものであると思わせる何かを作り出す戦略。具体的に何で差別化するかで、いくつかの差別化戦略に分類できる。例えば自社の製品の性能や構造、デザインといった製品の物理的差異による差別化。サービス網や販売網を充実することで顧客サービスの差別化ができる。また、ホンダやソニーのように製品差別化を蓄積した結果、ブランドあるいは会社そのものが先進性をイメージさせるようになるという、ブランドイメージによる差別化もある。

 「集中化
特定の買い手グループ、製品・サービスの種類、あるいは特定の地域に経営資源を集中する戦略で、市場全体ではなく、絞られたターゲットに対してコスト・リーダーシップの実現か、差別化の実現を狙った戦略。この場合絞られた戦略ターゲットに経営資源を集中するため、前の2つの戦略の両方を実現することも可能で、高い収益率を期待できるが、達成可能な市場のシェアの大きさは期待できない。

(馬場 大治)