・経済成長
経済活動の規模の拡大が経済成長です。一定期間における経済成長の速度である経済成長率はふつう国内総生産の対前年増加率で測定します。経済活動の規模が拡大しなくても物価が上昇していれば数値は伸びを示すため、経済成長の実態を正しく表すことができません。そこで、実質的な経済成長をはかるために物価の変動分を修正した、実質国内総生産によって算出されています。
経済成長はその国の産業構造にを変化させ、国民生活の向上に大きな影響があります。一方の経済成長率は、増加した生産量は表しても、増大した所得や富がどのように分配されて、貧富の差が拡大したのか縮小したのかなどの内容は示すことはできません。経済成長を国内総生産だけで表すと、一国全体の所得の増加はわかっても、国民一人一人の生活水準の向上については不明です。例えば公害のよる環境破壊があった場合でもそれが考慮されないため、経済成長は国民の福祉水準を正確に表すことができないという問題があります。現在、 国民の福祉水準を数量化して測る試みとしてNNW(国民純福祉、Net National Welfare)が考案されたり、国内総生産から固定資本減耗や環境破壊などの経済的素運室を差し引いて算出するグリーンGDP(=環境調整済み国内総生産)も考案されており、今後の実施が検討されています。 |