私たちは日常生活の中で、直接あるいは間接に、ミニコンピュータなどで制御されたシステムのお世話になっています。コンピュータだけでなく、現代社会を維持し、その秩序が守られているのは広く科学技術に負うところが多いでしょう。
その科学技術のほとんどは量子力学を基礎とする微視的な現象に対する理解の上に成り立っています。つまり、原子核や原子、分子およびその集合体の性質に関する知識の上に成り立っています。
ここでは量子力学がどのようにして形成されてきたのかを知ることから始めましょう。
物理学科の学生には、単に量子力学の問題が解けるようになるだけでなく、物理学史上不屈の功績である量子論の形成が、量子力学の構築にどのように発展していったかを頭に焼き付けておくことが必須事項です。
そこで、量子力学の創始者の一人であるマックス・プランクの考え方を追いながら理解して行くことにしましょう。