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quantum mechanics
3-5. 期待値と粒子の運動量
- 移動させてもいいもの -
量子力学 - 太田 雅久
量子力学で式の操作をする場合、忘れてはならないことは、むやみに記号の順序を変えてはいけないことです。今の場合では、被積分関数はψ*数式ψがこの順序で並んでいると考えます。これを入れかえてはいけません。特に数式は演算子です。これを微分演算子といいます。しかし、ただの数はどこに移動してもかまいません。ただの数のことを「c-数」といいます。ここでは数式は「c-数」です。

次の章で、演算子を勉強すると明らかになってきますが、一つだけ例題を挙げてみましょう。

数式数式

という演算子を考えましょう。これらの演算子は何にかxの関数f(x)に演算されることを想定して作られています。従って、二番目の演算子はxを微分して1と考えないで下さい。

それぞれの演算子がf(x)に作用したとき、どのような結果を生じるのか検討してみて下さい。

数式

異なる結果を与えます。演算子x(d/dx)が積で現れるとき、順序をかえると違う結果を与えることを心にとどめておいて下さい。
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