いよいよ最終のレポートの作成の段階に入ることになる。この段階は、レポートにまとめるというだけではなく、大事なことは、この段階の作業が先ほどの図や表にまとまられた調査結果の分析という作業を兼ねているということである。得られたデータを分析するということは、仮説構築あるいは仮説検証のいずれの研究においても、仮説との関連を考慮するということになる。その関わりにおいて得られた調査結果が何を意味しているのかを分析することになる。もちろん、それはあくまでも調査者の主体的な判断や解釈にもとづいて記述的に表現されるものである。
いま記述的とはいったが、むしろチャート図にして表示されたりした方が客観的な理解を得やすいだろう。結局、企画の段階からこの調査研究が何を追究してきたのかを全体的に示しながら、今回の研究結果をレポートにして総合的にまとめていくのが最終レポートの作成ということになる。研究のプロセスを順番に示せば、ほぼ次のようになるだろう。
この最後の 8.の段階にまで来ると、改めて 3.のモデルの構築の段階に戻り、モデルや仮説の修正(構築)について再度、検討することになる。したがって、社会調査は、何度も何度も繰り返されていくことになる。そのことを通して、誰がいつ、どこで実施しても同じ結論に到達する普遍性や法則性を見いだすことになり、科学としての社会学の調査の意義が実証されることになる。
そして最終的には、つぎのような順序でレポートにまとめられていくことになる。1.や 2.といった順番は、一応の目安である。むしろ、たとえば、「1. はじめに」のところで身近なことから問題意識を抱いたことを明示した後、2.と 3.は一緒にまとめて、「2. 調査の目的」として提示しておいてもよい。いくつかをまとめて括っていくようにするとよい。12.番目までもあると、細かくすぎて第三者には煩雑に思えてくる。
できれば一つのレポートには、それぞれ節が5〜6くらいにまとまっていると、読みやすくてよい。文章は、できるだけ明確に分かりやすく書いておくことが大切である。そのためには自分で何を言おうとしているのかを十分に吟味してから執筆するようにすることが重要である。
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