質的調査であっても量的調査であっても得られたデータの呈示方法は、それぞれが異なったデータであるからといって別に大きな違いはない。やはり調査者の独断あるいは偏見などの介入しない客観的なまとめ方と呈示が必要である。そのためには調査によって得られたデータにそって仮説構築あるいは仮説検証のための議論を展開していく方向にむかって、それを傍証するのに調査結果が活用されやすいようにまとめ、そして呈示することが重要である。そのためには何らかの図あるいは表にまとめて呈示する方法がもっとも有益である。
図ないし表にしてまとめていく場合、何といっても調査者自身の筋立てが明確なっているということである。つまり、何を論じていこうとしているのかという議論全体の筋道が分かりやすく意識されているということである。もちろん、調査者の筋道があまりにも強固であると、それは往々にして独断と偏見であったりする場合が多い。そのために得られたデータのまとめと呈示にはできるだけ客観的な呈示が必要である。つぎの過程のデータ分析をより深いもの(調査者固有の判断に拠るもの)にするためにも、それは重要である。
なお、呈示された図ないし表については、先ほども述べたようにまとめることになった背景の基準やまとめた結果についての解説が不可欠である。 2-3-2 面接の実査 参考事例(1)(2)(3)を大いに参照されたい。
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