社会調査工房オンライン-社会調査の方法
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4-6 学科紹介パンフレット制作体験記
4-6-1 パンフレット制作の目的


 学科紹介パンフレットの制作というプロジェクトは、実はもともと教員側から出たアイデアでした。大学広報のあり方について教員間で議論しているときに、社会学科をわかりやすく紹介するパンフレットが必要であるという話になり、それなら教員よりも学生につくってもらった方がよいという意見が出たので、ためしに一度ゼミでやってみることにしたのです。「社会学科への進学を考えている高校生に向けて、社会学科の実態を在学生の視点からわかりやすく紹介するパンフレットの制作」というのがプロジェクトの趣旨ですが、その狙いは大きく二つあります。
 まず一つは、社会学科が力を入れている社会調査教育の一環という位置づけです。単に思いついたことを書くだけでは、効果的なパンフレットを作成することはできません。何を調べ、どう紹介したらいいのかを工夫する必要があります。情報を巧みに引き出す取材や調査の方法、それをわかりやすく提示する表現方法は、社会学科の必修科目である「社会調査基礎演習」でも指導していますが、このパンフレット制作体験では、企画→取材→制作→発表という一連の流れのなかで、学生自身が試行錯誤をくり返しながら、「自分で調べて表現する」という技術を自然に身につけることが期待できます。
 もう一つは、大学が行っている広報活動(PR)を体験し、その実態についての知識を深めるとともに、効果的な広報のあり方を考えるという目的です。大学が作成している各種のパンフレットや広報誌、広告やホームページは、外部に向けて大学を紹介するためのもので、プロの手によって制作されていることもあり、質の高いものが多いです。しかしそれらは大学側の公式的な情報の媒体であるため、読み手にとっては必ずしも親しみやすい内容になっているとはいえません。その意味で、学生の手によるパンフレットの制作という試みは、新たな広報の可能性を考えるきっかけにもなりうるものです。

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