社会調査工房オンライン-社会調査の方法
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表現の方法 菅康弘

 卒論作成に向け、論文としての統一仕様、および読みやすい論文の作成に向けたマニュアルをつくりました。「論文を作成する」ということだけを前提に、世に出回るマニュアル本にはあまり書かれることのない点、これまで「慣れ」の一言で片づけられてきた経験知を可能な限り文章化してみました。言い換えれば、高尚な文章読本には見向きもされず、コンピュータのマニュアル本は「うちらの守備範囲じゃないもんね〜」とこれまた見向きもされないニッチ(すきま)1を埋めるつもりで書いています。熟読した上で論文作成に臨んでください。
 なお、内容に関しては千差万別なので個別に対応したいと思います。また、作成に着手する前・最中いずれでも(作成後でもエエですけど…(^_^;…)、不明な点・悩ましい点がありましたら、連絡してください。自宅の電話でも携帯電話でもメールでもかまいません。エエもんができるんであれば、なんなりとご協力いたします(それが仕事か…)。

 さて、卒論を読むのは私と副査の教員ですが、想定読者は市民大学や放送大学の学生です。すなわちさまざまな世代・職業・地域の人々を想定読者と考えてください。かといって「です・ます」で書く必要はありません。若者しかわからないノリや、自分にしか理解できないノリ、唯我独尊的論文は絶対に避け、見やすく、わかりやすくを旨として下さい。
 だから、書くべきことは書くという方針を忘れずに。必要な説明は怠りなく、そして「これくらい、いわんでもわかるやろ…」とはしょらないようにしてください。そもそも「書くことがない…」という嘆きはよく耳にしますが、われわれの眼からすれば、「書くべきことを書いてない」レポートや論述試験、そして論文が多いと思います。必要な説明ばかりでなく、重要な点は手を変え品を変え、ポイント、ポイントでアプローチを変えて繰り返した方がわかりやすいのです。要は「理解してもらう」という姿勢が大切です。

 ちなみに、この章の文章は、一部逸脱した点もありますが、原則として形式は指示内容にそってつくられています。これをご参考に自分なりに最適・最良の文書を見つけてください。この文章はいまだに私が使用している「Microsoft Word 2001 for Mac」を基準に説明がなされていますが、「Word 2000」やその他「一太郎」などでも、メニュー構成が若干変わるものの、基本的には同じことができます2

なお、本編に入る前に一言。

「紙や労力、時間、金をけちらないこと!」

 妙なエコロジスト、一時の倹約家にならないでください。目が遠くなっている、目が弱っている先生方もおられます。自己が支払うコストを最小限にするために、他者に負担を強いているとみなされるチャチさ・セコさ・手抜きはいただけません…。減点!
1 一部、『日経パソコン』など、日本経済新聞社の雑誌や書籍にこうした点が書かれていることもあります。ご参照あれ。
2 わからない場合は、「ヘルプ」の、特に「トピックを検索」を積極的に活用してください。

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