内容分析は、ファッション誌、音楽CDやマンガなど、資料としてのマテリアル(分析媒体)に含まれたメッセージの社会学的分析を意味します。 現代日本のファッションとメイクについて研究するのであれば、『ViVi』『CanCam』といった代表的なファッション誌に掲載された文面や写真の比較、その変遷の記述などをしておけば、その後に実施するアンケート法や面接法における理論的予想(作業仮説)の練り上げに大いに役立ちます。内容分析の結果、「ストリートスナップの元祖は青文字系のファッション誌が創刊されるずっと以前、1980年代半ばの『non-no』にあった」という知見が判っていれば、研究報告や卒業論文全体に係わる仮説形成にも重要な役割を果たします。 J-POPやJ-ROCKの研究にあたって、有力な音楽誌や大規模店舗のフライヤーを内容分析するのも良いでしょう。ティーンの世界観やメンタリティの理解には、その時代を代表する人気作品が連載される『週刊少年ジャンプ』といったマンガ誌の内容分析が欠かせないはずです。 内容分析の方法を身につければ、研究報告や卒業論文は怖くないでしょう。なにしろ、世の中は内容分析のマテリアルで満ちあふれているのです。 |