社会調査工房オンライン-社会調査の方法
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社会調査工房オンラインへようこそ
社会調査工房オンラインのねらい


 この社会調査工房オンラインは、甲南大学文学部社会学科(甲南社学)の社会調査工房プロジェクトの一環としてスタートしました。その際の企画趣旨を私たちは以下のように書いています。
 複雑性の増す現代社会においては、具体的なデータにもとづいて自らの主張や企画を説得的に展開できる人材が求められるとの認識から、平成16年度より「社会調査士」の全国共通資格化が実施されることとなっています。こうした動きに先んじて、甲南大学文学部社会学科では、平成14年度より「社会調査士養成課程」を設置し、社会学科全教員による調査教育が積極的に展開されています。さらに、平成15年度にはこれらを支える教育環境として「社会調査工房」を開設し、設備面(ハードウェア)での体制強化が図られるなど、全国的にみても非常に先駆的・特徴的な試みを展開しつつあります。
 「社会調査工房オンライン」は、こうした本学科の伝統的な特色である充実した調査教育や設備を有機的に結びつけ展開すべく、とりわけ学生の自学自習の推進をソフトウェアの面から行うことにより、その教育効果を一層強化・深化させることを企図しています。   具体的には、ネットワークやデジタルメディアの特色を生かし、社会学科全学生必修の「社会調査基礎演習T・U」をはじめ、「社会調査法」「フィールドワーク研究」「社会統計学」「量的データ解析」などの調査系科目、そして「発展研究A〜F」や「ゼミナール」「卒業研究」など、調査関連科目全般の自学自習用コンテンツ、演習・講義の補助教材、及びそれらのオンライン化を行うことで、従来とは異なる新しいタイプの調査教育の実現を目指しています。
以上、「社会調査オンライン企画書」(2003年)より抜粋のうえ修正・要約
 上に書いてあるように、甲南社学はこれまで積極的に社会調査教育に取り組んできました。今日では、多くの社会調査士を輩出してきた教育プログラムもあり、専任教員全員が何らかの形で調査教育を担当しています。教員はもちろん、受講する学生もまた、日頃から社会調査の世界を身近に感じているはずです。事実、多くの卒業研究において、みずから調査を企画、実施、分析するタイプの論文が見られるようになってきました。
 ところが、私たち社会学科の教員は、ゼミ論や卒論を執筆している学生さんから、「調査の挨拶状っているんですか?」「インタビューって勝手に録音していいんですか?」「仮説ってなんでしたっけ?」「統計ソフトの使い方がわかりません」「グラフのタイトルっているんですか?」「調査結果をどうやって表現していいかわかりません」などの質問をしばしば受けます。これらのことは演習や講義でお話していることなので内心「オイオイ」と思うのですが、たしかに、教室での勉強と実際に調査を実践し、レポートを書くまでには間がありますし、また、講義内容と実践の間も実は様々な試行錯誤の連続ですから、こうした質問もやむを得ないのかも知れません。
 もちろん、こうした「間」を埋めるのは学生自身ですし、それが勉強でもありますが、このコンテンツはそうした時に手がかりや参考となる内容を詰め込もうと考えました。いわば、過去の勉強を思い出す「引き出し」であり、講義や書籍と社会調査の実践の間をつなぐ「架け橋」となることを目指しています。その意味では、このコンテンツはそれ自体で完結していません。講義や調査実践など、自分自身の必要に応じその都度必要な箇所と相互往復しながら理解を深めてもらえればと思います。

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