製造工場をもたずに商品を仕入れて販売するというデパートのような販売業には製造原価にあたるものはない。
製品を仕入れる際にかかる費用が原価である → 仕入原価という。
仕入原価 = 製品を仕入れるために支払う代金+仕入れの際にかかる諸費用
↓
(仲介業者に支払う「仕入手数料」、仕入れるときの輸送運賃、運送保険料など)
製品を仕入れても、製品の中に不良品や破損品があった場合は返品する。その分の費用は「仕入戻し」という名目で仕入原価から差し引かれる。つまり、
原価の集まりが販売価格を構成する。
さまざまな原価は寄り集まって、最終的に商品の販売価格を構成するものとなる。
したがって、原価が明確にわかっていないとどれだけの販売価格にしたらいいかわからないことになる。
販売価格は原価に利益をプラスしたものであり、次のように構成されている。
直接材料費 + 直接労務費 + 直接経費 = 直接原価
直接原価 + 間接費 = 製造原価
製造原価 + 販売費及び一般管理費 = 総原価
総原価 + 利益 = 販売価格
利益 | 販売価格 | ||||
販売及び 一般管理費 |
総原価 | ||||
間接材料費 | 製造間接費 | 製造原価 | |||
間接労務費 | |||||
間接経費 | |||||
直接材料費 | 製造直接費 | ||||
直接労務費 | |||||
直接経費 |
製品を製造せずに、製品を仕入れて売る形態の販売業、たとえばデパートなどでは、仕入価格が販売価格のうちで大きなウェイトを占める。
仕入原価 + 販売費及び一般管理費 = 総原価
総原価 + 利益 = 販売価格
サービス業では、製造をしないし、製品を仕入れることも多くはない。しかし、顧客にサービスを提供するためには人員が必要である。その人件費が原価の大半を占めることになる。
人件費 + 販売費及び一般管理費 = 総原価
総原価 + 利益 = 販売価格
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