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原価計算 長坂悦敬
第3章 原価計算の基礎的手続き

3-5  売上原価の定義

製造原価が売上原価に変わるとき・・
会社が毎年決算のために必要とするものに決算書という一連の書類がある。そのうちの損益計算書の中に売上原価の項目がある。

売上原価とは、売上ためにかかった費用のことをいう。別のものではなく、

製造業では製造原価
販売業では仕入原価

そのものになる。

何故、仕入原価とか製造原価と呼ばず売上原価と呼ぶか?

製品を売り上げることによって計算の対象になる。つまり、製造原価は製造した段階での原価であり、それが実際に売られた場合には名前を変えて売上原価と呼ばれて記載される。

売上原価は在庫によって決まる!

売上原価は製造原価や仕入原価のことであるが、実は、同じ数字にならない。
大きな決算は一年ごとに行う。そのときに、前の年の残りの製品がある。つまり、在庫がある。さらに今年分の在庫製品がある。これらを調整しなければならない。

売上原価の計算

[製造業の場合]

売上原価を計算するには、前年度の在庫を考慮しなければならない。
  ↓
期首製品棚卸高と呼ぶ。

今年度の在庫
  ↓
期末製品棚卸高と呼ぶ。

今年度に製造した製造原価 → 「当期製品製造原価」と呼ぶ。
前年度の在庫であっても、今年度に売ることがある。今年度(当期)の在庫は売れていないので売上原価からは差し引く必要がある。

売上原価 = 期首製品棚卸高 + 当期製品製造原価 - 期末製品棚卸高
(当期製品製造原価はいくらであるかは、製造原価報告書に記載されている)

[販売業の場合]

売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高

売上原価がわかれば総原価もわかる!

売上原価 + 販売費及び一般管理費 = 総原価

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