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原価計算 長坂悦敬
第7章 部門費計算

7-3  部門個別費と部門共通費

部門別原価計算では部門費を部門別に集計する。ここで必要になるのが個別費と共通費の区分である。

部門単位に原価を集計するにあたり、特定の部門で消費したと認識できるものを部門個別費(direct departmental costs)と呼ぶ。部門での材料費や賃金・給料がこれに該当する。これらの部門個別費は、部門ごとに発生額を把握することができるので、各部門にその金額を集計(賦課)する。この手続は直接賦課、すなわち直課(direct charge)といわれる。

一方、部門単位に原価を集計するにあたり、特定部門において発生したことが直接的に認識されない原価、つまり、二つ以上の部門のために共通的に発生したものを部門共通費(indirect departmental costs)と呼ぶ。工場の建物の減価償却費(depreciation expenses)や保険料などがこれに該当する。部門共通費は、各部門でどれだけ発生したかを把握することが困難であり、一定の基準で部門に配分することになる。この手続を配賦(allocation)と呼び、配分の基準を配賦基準(allocation basis)という。間接費は、原価の性格上、配賦の正確さを確保することが容易でない。したがって、配賦計算に当たってどの配賦基準を選ぶかが問題となり、企業は各配賦計算に関連する諸要因を十分に考慮して個別的に配賦基準を決定することになる。なお、実務では、製造間接費のみを部門別に計算し、直接費は費目別計算から、 直ちに製品別に集計する製造間接費部門別原価計算が広く採用されている(図表7-2)。

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