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原価計算 長坂悦敬
第7章 部門費の第1次集計

7-4  部門費の第1次集計

部門費の第1次集計は以下に説明するように部門個別費と部門共通費を分類し、部門別に集計する手続である。(図表7-2)

(1)部門費は、発生した部門を直接認識できるか否かで、部門個別費と部門共通費に区分する。

  • 部門個別費…発生した部門を直接認識できる原価である
  • 部門共通費…二つ以上の部門で共通して発生するため、発生した部門を特定できない原価である

(2)(1)で区分した部門費を以下の方法で各部門に集計する。

  • 部門個別費…部門別の発生額を当該部門に直課する
  • 部門共通費…費目別に適当な配賦基準を選び、各部門に配賦する

なお、第一次集計の仕訳は次のようになる。

(借方) A製造部門費 ××××    (貸方) 製造間接費 ××××
(借方) B製造部門費 ××××
(借方) 甲補助部門費 ××××
(借方) 乙補助部門費 ××××

第1次集計の手続は、部門費集計表(department cost collecting sheet)(または部門費計算表、部門費配分表ともいう)によって行う。ところで、部門共通費の配賦基準に図表7-7のようなものがある。

図表7-7 部門共通費の一般的な配賦基準
部門共通費配賦基準
建物減価償却費各部門の占有面積
不動産賃借料      〃
建物保険料      〃
建物固定資産税      〃
建物修繕費      〃
機械保険料各部門の機械帳簿価額
電力料各部門の機械馬力数または各部門の見積消費量
電灯料(照明用)各部門の電灯ワット数
材料保管料各部門への出庫額
試験研究費各部門の直接作業時問
従業員募集費各部門の従業員数または直接作業時問
福利費各部門の従業員数
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