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原価計算 長坂悦敬
第8章 個別原価計算

8-5  勘定連絡

個別原価計算の勘定連絡は以下のようになる。

(1)単純個別原価計算

直接材料費、直接労務費、直接経費の消費高を計算した後、その金額を原価計算表に転記するとともに、各原価要素の勘定の貸方から仕掛品勘定の借方へ振り替える。また、製造間接費については、いったん各勘定の貸方から製造間接費勘定の借方に振り替え、実際配賦または予定配賦の手続により、特定製造指図書別に配賦額を計算する。配賦額は原価計算表に記入するとともに、製造間接費勘定の貸方から仕掛品勘定の借方に振り替える。この関係を図表8-8に示す。

図表8-8 単純個別原価計算

(2)製造間接費の部門別個別原価計算

製造直接費は、部門別計算を行わない場合と同様に処理する。一方、製造間接費は、いったん製造間接費勘定の借方に集計した後、部門別計算の手続により各部門費勘定に配賦する。その上で補助部門費は各製造部門費勘定の借方に集計する。さらに、特定製造指図書別に製造間接費配賦額を計算し、原価計算表に転記するとともに、各製造部門費勘定の貸方から仕掛品勘定の借方に振り替える。この関係を図表8-8に示す。同図は動力部門が補助部門であり、加工部門と組立部門は製造部門である想定している。(なお、部門別原価計算については第3章を参照のこと。)

図表8-8 製造間接費の部門別個別原価計算

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