8-5 8-7
原価計算 長坂悦敬
第8章 個別原価計算

8-6  仕損費の計算と処理

仕損(しそんじ)とは、製造作業の過程において何らかの原因により失敗して完成品にならなかった状態であり、不合格品が発生したことをいう。この不合格品のことを仕損品(しそんじひん、unacceptable unit,defective unit)といい、仕損品に係わる原価を仕損費(しそんじひ)(loss due to spoiled work,loss due to defective work)という。個別原価計算における仕損費の計算は次のようになる。

(1)補修または代品製造のために新しい製造指図書を発行する場合

仕損が補修で回復できる場合は補修指図書に集計された製造原価を仕損費とする。全部が仕損となった時は、旧製造指図書に集計された製造原価を仕損費とし、一部が仕損になった時は新製造指図書に集計された製造原価を仕損費とする。

(2)補修または代品製造のために新たな製造指図書を発行しない場合

仕損の補修等に要する製造原価を見積ってこれを仕損費とする。

(3)仕損が軽微な場合

仕損費を計上せず,仕損品の見積売却価値額または見積利用価値額を当該製造指図書に集計した製造原価から控除する。

8-5 8-7
Copyright (C) 2005 Konan University All Rights Reserved.