月末仕掛品原価の計算方法には、平均法、先入先出法、後入先出法の3つがある。
平均法(average method)では、月初仕掛品と当月投入分の合計から平均的に製品が完成するという仮定にもとづいて、月末仕掛品原価を計算する。
平均法の計算式
先入先出法(first-in first-out method)では、先に投入したもの(月初仕掛品)があれば、これを優先的に完成させ、それが完了した後に当月投入分を完成させていくという仮定にもとづいて、月末仕掛品原価を計算する。
先入先出法の計算式
後入先出法(last-in last-out method)では、月初仕掛品の加工を後回しにし、当月投入分から先に完成させ、さらに余力があれば月初仕掛品も完成させるという仮定にもとづいて、月末仕掛品原価を計算する。後入先出法では、生産状況の相違により、つぎの3つのパターンがある。
この場合、当月製造費用が完成品原価となるので、月末仕掛品原価は月初仕掛品原価と等しい。
後入先出法(パターン1)の計算式
月末仕掛品原価(直接材料費) = 月初仕掛品原価(直接材料費)
月末仕掛品原価(加工費) = 月初仕掛品原価(加工費)
この場合、当月投入分はすべて完成させたことになる。したがって、月末仕掛品原価は月初仕掛品原価から計算される。
後入先出法(パターン2)の計算式
この場合、当月投入分はすべて完成させていないし、月初仕掛品はすべて未着手である。したがって、月末仕掛品原価は、月初仕掛品原価の全部と当月製造費用の一部から計算される。
後入先出法(パターン3)の計算式
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